コラム*~筆者のつぶやき~
2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催地が東京に決定した瞬間の映像は、普段、スポーツにあまり関心のない人の胸をも躍らせ、多くの日本人を高揚させたことでしょう。残念ながら、筆者は、決定の瞬間をLIVEで観ることはできなかったのですが、五輪、自国開催の決定という報道に、私たちは歓喜に沸きました。開会式の予定は2020年7月24日だそうですが、この夏の異常な猛暑続きのため、熱中症で救急搬送される患者が後を絶たなかったことを思うと、今から心配でなりません。
報道によると、厚生労働省が救急患者受け入れ対策として、救急搬送を断らずに全て受け入れる病院を、全国に100カ所整備すると決めたそうですが、果たして機能するのかどうか疑問です。筆者は、無理やり「断らない(断ってはいけない)」病院に指定されて、医療現場が疲弊し悲鳴を上げるだけにならないよう、交代制勤務の導入や勤務に見合った給与など、運用面の整備を検討してから対策を進めて欲しいと思っています。救急医療の崩壊は、医師も患者もつらい思いをするばかりで、結局、誰も幸せになれません。患者のためにも救急医療体制を含めた医療制度の再設計を行い、実行していく必要があるでしょう。
今、異状死届出義務(医師法21条)ばかりが議論されていますが、この応招義務(医師法19条)についても議論していかなければならないのではないでしょうか。皆さまは、この医師の応招義務について、どのように思われますか。
皆さまのご意見ご感想をお待ちしております。
編集後記
今回のニュースは如何でしたか。
法律を根拠として運用がなされる医療現場への適用という視点から、医療に関する法律を学ぶことは、病院のリスク管理という観点からも大変有益であると思ったので、今回は、第3号までのニュースとちょっと違う観点から書いてみました。
病院経営の最たる人的資源は医師です。そして、医師を守るのも断罪するのも、ともに法律です。今後も折をみて、実際の事件や判例から、医師に身近な法律の“素顔”を紹介していきます。
また、次回のメディカルニュースに取り上げて欲しいテーマがございましたら、どうぞ営業担当者までお寄せください。そのテーマに関する情報を、詳しくわかりやすく提供して参ります。
今後ともNDCメディカルニュースをよろしくお願いします。