~筆者のつぶやき~
各紙報道を見ても東京医科大ホームページ上の不祥事についての説明等を見ても、当時のセンター長の批判ばかりが目につきます。確かに不正は絶対許されないことですし、ペナルティは課すべきです。しかし、赤字ベースの病院を何とかしようと熱心に経営改革を推し進め、精力的に経営再建に取り組んでも黒字転換せず、ついには不正に至ってしまったという経緯を考えた時、もし、筆者が当時のセンター長の立場だったらと考えた時、非常に複雑な気持ちになります。
そもそもは、平成20年の診療報酬改定で付け加えられた要件が、本来の趣旨から離れ、医療現場に非効率的な運営を強いるものに変化してしまった部分があるのではないかと強く思うのです。当時のセンター長のコンプライアンス意識の欠如だけでなく、利益を上げることのみを主眼とした組織そのものの意識改革も必要だったと思うのです。
意識改革はある日突然叶うものではありません。一つ一つの問題を経営陣と現場が一緒になり解決の道を模索することで、経営陣と現場の距離が縮まり連携関係が強まっていく。そうして描いていたあるべき姿へと到達できるのではないかと思うのです。
皆様は、本件についてどのように感じられたでしょうか。
◆編集後記
日本の企業においてコンプライアンスが意識され始めて既に10年以上経過している今日、改めて「医療機関に求められるコンプライアンスとは何か」を、今一度再考していだだきたく、極めて異例とも言える大学の付属病院が保険医療機関指定取消し処分を受けた事例を取り上げてみました。
今後も、皆様にとってより役立つ情報を発信できるよう努めてまいりますので、どうぞご高配賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
尚、当該メディカルニュースを情報誌にしております。本件に関するご意見、ご要望、情報誌ご希望の方は弊社営業担当者までお寄せいただければ幸いです。