混合診療全面解禁の動き?-患者申出療養制度(仮称)-

MG010083◆はじめに
あけましておめでとうございます。新年を迎え、気持ちも新たにスタートしました。今年も私たち医療業界を取り巻く情勢は、目まぐるしく動く一年となりそうです。

すでに本サイトでも取り上げましたが、昨年は医療介護一括法が成立・公布されました。関連して今年の4月1日から、地域医療構想の策定や臨床研究中核病院に関する政策、また10月1日からは、医療事故調査制度や看護師の特定行為研修制度、看護師届出制度など、あらゆる制度・政策が次々と施行される予定です。

さて、これらの医療情勢の中で、今回は、今年の通常国会で関連法案の提出が予定されている「患者申出療養制度(仮称)」について取り上げたいと思います。
この新制度の創設に対して、賛否様々な議論が沸き起こり、物議を呼んでおります。私たちの誰もがいつでも患者の立場に成り得ることから、この新制度を概観し、私たちにどのように影響してくるのかを見ていきたいと思います。

◆患者申出療養制度とは
患者申出療養制度とは、現在、原則禁止とされている混合診療*の例外として認められる制度のことを言います。つまり、困難な病気を患う患者からの申出を起点として、国内未承認医薬品の使用等を保険診療と併用できる制度です。
目的は、患者の治療の選択肢を拡大することにあり、昨年6月に閣議決定されました。背景には、日本の医療産業の拡張や国の医療費抑制の動き、TPP交渉を巡る諸外国からの混合診療全面解禁の圧力等が報じられています。

 次回はこの患者申出療養制度が導入された場合、私たちにどのように影響してくるのか、メリットとデメリットを見ていきたいと思います。

(*混合診療については、本サイトの投稿記事http://medical.nihon-data.jp/archives/171をご参照ください。)