「難病医療法」成立による医療費助成制度の変化 (2)
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メディカルタイムス 8-2

2. 法案提出までの経緯

難病については、厚生労働省・厚生科学審議会の疾病対策部会の中で話し合いが行われてきました。平成13年9月19日にスタートした難病対策委員会(以下、委員会という。)の中で、平成23年9月13日難治性疾患対策の現状について報告がなされ、今後の難病対策について検討が指示されました。

 平成23年12月1日の委員会で発表された中間的な整理の中で、今後の難病対策の見直しの方向性として「ごくまれではあるが国民の中に一定の割合で発症する可能性のある難病について、患者の長期かつ重度の精神的・身体的・経済的負担を社会全体で支えることを目指す」とし、医療費助成については「事業の公正性、他制度との均衡、精度の安定性の確保の観点に立ち、法制化も視野に入れ、希少・難治性疾患を幅広く公平に助成の対象とすることを検討する」との方針が打ち出されました。

 平成24年8月16日の中間報告では、難病の定義を「難病対策要綱」を参考にしつつ、できるだけ幅広くとらえるべきとし、医療費助成の在り方について、「特定疾患の4要素(①希少、②原因不明、③治療法未確立、④長期にわたる生活の支障)を基本的に踏襲すること。重症度等の基準を設定すること。指定専門医の診断や指定医療機関での受診を認定の要件とすること。他制度との均衡を図ると共に施策の安定性を確保し、国民の理解を得られるよう給付水準の見直しを検討すること。」等が発表されました。

 さらに、平成25年1月25日「難病対策の改革について」の提言が行われました。

 改革の基本理念として「難病の治療研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指す」と掲げられ、「①効果的な治療法を見つけるための治療研究の推進に資すること、②他制度との均衡を図りつつ、難病の特性に配慮すること、③官民が協力して患者に対する必要な支援が公平かつ公正に行われること、④将来にわたって持続可能で安定的な仕組みとすること。」という4つの原則に基づき新たな仕組みを構築し施策を行う、とされました。

  また、改革の3本柱として、

①    効果的な治療方法の開発と医療の質の向上

②    公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築

③    国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実」

が掲げられました。

②の公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築の中で、症例が比較的少ない疾患については、各医療機関や研究機関の個別の研究に委ねていては原因の究明や治療法の開発が困難となるため、患者の受療を促進して症例を確保し、データの収集を効率的に行い治療研究に推進する目的に加え、長期療養による医療費の経済的負担が大きい患者を支援するという福祉的な目的を併せ持つとして、必要な財源を確保しつつ、法制化について検討する、とされました。

この時点で具体的取組として、対象疾患や認定基準、患者負担の見直しとともに、指定医による診断や指定医療機関での治療について言及されています。

 そして、平成25年12月13日の委員会にて「難病対策の改革に向けた取組について」の取りまとめが発表されました。

1月に提言された基本理念に「難病対策に係る基本方針を定め、医療や研究開発の推進を図るとともに、福祉や雇用などの他の施策との連携を図る」という、国による基本方針の策定が基本的事項として加えられました。また、基本理念に掲げる「難病」を「原因不明で、治療方法が未確定であり、生活面で長期にわたり支障が生じる疾病のうち、がん、生活習慣病等別個の対策の体系がないもの」と定義しています。

 また、医療費助成の対象についてより具体的な方針を表し、対象疾患を「患者数が人口の0.1%程度以下等であり、一定の診断基準が確立しているもの」とし、対象患者を「症状の程度が重症度分類で一定程度以上の者、もしくは高額な医療を継続することが必要な者」としました。さらに、患者の負担割合についても3割から2割に軽減すること、人工呼吸器等の装着者にあっては更なる軽減を行うこと、現在の対象患者の場合は3年間の経過措置を設けること等が提言されています。