「難病医療法」成立による医療費助成制度の変化 (1)
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メディカルタイムス 8-1

 

 

去る平成26年5月23日、「難病医療法」が参院本会議で可決、成立し、平成27年1月1日より施行されることとなりました。

昭和47年10月に難病対策制度が誕生してから、難病についてのさまざまな問題に対して議論が行われてきましたが、医療の進歩や社会・経済状況が変化する中で、研究事業や医療費助成の対象とされていない難病もあることでの不公平感や、都道府県での医療費助成の超過負担の問題、難病患者の長期療養に対する総合的な対策不足など、さまざまな課題の解決に向けてこの法律が制定されたことにより、実に42年ぶりとなる抜本的な改正となります。

この法律の下で施行される医療費助成制度が今までの制度とどう変わるのか、法案成立までの経緯を踏まえてまとめてみました。

 

  1. 難病とは?

「難病」というと「不治の病」を指すのが一般的ですが、ここでは医療費助成の対象となりうる難病とはどういうものなのか、定義を確認してみます。

 昭和47年10月、それまでは統一的な施策の対象としてとりあげられていなかった、いわゆる「難病」について、総合的な対策を実施するとして「難病対策要綱」が厚生労働省で定められました。この中で、難病の範囲として次のように定義されています。

『(1)原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少ない疾病(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

 ※なお、ねたきり老人、がんなど、すでに別個の対策の体系が存するものについて、この対策から、除外する。』

 ここに定義された難病の中で、スモン、ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスの4疾患を対象として医療費助成制度が始まりました。

 現在では、難病に対する医療費助成を行う特定疾患治療研究事業の対象として、『「原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病」として調査研究を進めている疾患のうち、診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患』と定義され、56疾患が認定されています。