平成26年度診療報酬改定・DPC (2)
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メディカルタイムス7-2図 (1)

3.基礎係数における医療機関群Ⅰ群、Ⅱ群、Ⅲ群の変遷について

医療機関群については、前回改定で設定された3群構成を引き続き維持する事とし、「DPCⅡ群」の選定に係る実績要件について必要な見直しが行われました。

メディカルタイムス7-2図 (2)

メディカルタイムス7-2図 (3)

京都・大阪・兵庫においては京都第二赤十字病院が新たにⅡ群に加わり、大阪府に関しては変更がなかったのですが、兵庫県において大きな変動がありました。明石医療センター、豊岡病院がⅡ群からⅢ群に移行し、関西労災病院、神鋼病院、神戸赤十字病院の3つの医療機関が新たにⅡ群病院になりました。

平成24年にⅡ群病院の指定を受けた90の医療機関のうち、26病院がⅢ群へ移行しました。厚生労働省は、Ⅱ群の実績要件のうち「高度な医療技術の実施」をクリアできなくなった病院が多いとの見方を示しました。高度な医療技術を提供できているかどうかは、それぞれの病院で行っている手術の難度などが基準で、この難度を測る指数の計算に使う「外保連手術試案」を、最新版に切り替えた影響が大きいと同省では見ています。

逆に、Ⅲ群からⅡ群への移行は35病院ありました。全体的に国立病院機構や自治体病院、公的病院が数多くを占める中で、民間病院の雄でイノベーターである亀田総合病院(千葉)、聖路加国際病院(東京)、の2病院が揃ってⅡ群に移行したのは、戦略的な取り組みが功を奏したと解されます。

しかし、DPC医療機関群の構成に関して厚生労働省は「4月以降、Ⅱ群病院が大学病院(本院)並びという現在の概念を変えていくための検討に着手していく。Ⅲ群の病院についても、すでに見直すべきとの意見も頂いているので順次検討を進めていきたい」とコメントしており、以前から議題に挙がっているⅢ群の細分化も含めて、次回改定以降抜本的な見直しが行われると予想されます。

基礎係数は内示通り、Ⅰ群が1.1351、Ⅱ群が1.0629に、Ⅲ群は1.0276となりました。