平成26年度診療報酬改定・入院医療
カテゴリ:
タグ:

メディカルタイムス用改定率の図高度急性期・一般急性期について

7対1入院基本料病床が急速に増え、最も多い病床となっていますが、急性期病床に長期療養患者も入院するなど、患者の状態に応じた医療提供、療養環境、医療費負担となっていないという指摘があり、入院基本料を病棟単位の施設基準にするなどの議論が上がっているなか、まずは7対1入院基本料算定病床の減少を図ると思われます。また、急性期の患者の早期退院・転院や、ADL(日常生活動作)低下等の予防のため、すでに評価設定されている早期リハ加算などの再評価と更なる退院・転院支援の充実が重要視されています。

 このため以下の項目が重要検討課題としてあげられており、何らかの評価があるものと思われます。

 

①  急性期病床の平均在院日数の短縮

②  7対1入院基本料・10対1入院基本料の特定除外制度の見直し

③  「重症度・看護必要度」は、名称を「重症度、医療・看護必要度」に変更。一般病棟用の評価票のうち、モニタリングや処置などの状況を評価するA得点の項目(現在は9通り)を見直す。寝返りをうてるかどうかなど、患者の状況を評価するB得点の項目(7通り)は見直さない。

[A項目の主な見直し点]

・「時間尿測定」と「血圧測定」を削除

・「呼吸ケア」測定対象から「喀たん吸引」を除外

・現在の「創傷処置」の項目を、「褥瘡への処置」と「それ以外の処置」の項目に分ける

・「抗悪性腫瘍剤」「麻薬の内服・貼付」などを反映

④  急性期病床の担う機能の明確化を行い、高度急性期および一般急性期を担う病床の機能強化

⑤  入院早期からのリハビリテーションや退院・転院支援の推進

⑥  退院・転院に係る連携の強化

 等

 

長期療養について

長期療養患者については、適切な環境で療養を行うことが重要であるという観点から、長期療養患者の受け皿を確保し、病床の機能分化を図りながら、いわゆる社会的入院が発生しないように留意しつつ以下の事項が検討されています。

①  急性期病床における長期入院患者の評価の適正化

②  長期療養を担う病床の急性期等との連携強化、受け入れ体制の充実 等

 

回復期(亜急性期入院医療管理料等)について

急性期を脱した患者は、出来るだけ早く適切な療養環境の下で、集中的なリハビリテーション等をうけることにより、早期の在宅復帰・社会復帰を目指すことが重要であるが、現状では、急性を脱した患者の転院先が見つからず、急性期病床に居続け次の急性期患者を受け入れられないという問題も起こっており、急性期後の病床等の充実が求められています。

また、在宅患者の急性増悪には急性期病床が対応すべきであり、亜急性期という表現の中で急性期と回復期を含むと非常にわかりにくい為、病期に応じて報告する病床の区分に合わせ議論を整理すべきとの意見も上がっています。

回復期、特に亜急性期入院管理料に係る改定は、今回の一番の目玉ともいわれている項目となり「2025年の医療の姿」を見据えての改定になると予想されます。

現在検討されている亜急性期入院管理料の改定は以下の通り

①  算定病床を増やすために「病室単位」から「病棟単位」への施設基準の変更

②  2次救急病院の指定や在宅療養支援病院の届け出による評価

③  療養病棟でも1病棟(60床)に限り、亜急性期病棟の届け出を可能に

④  現在の施設基準である病床床面積の条件緩和等

上記の内容が検討されています。

 

地域特性について

 医療資源の少ない地域では、1つの病院が複数の機能を担うことが必要な場面もあり、平成24年度診療報酬改定において、入院基本料等の亜急性期入院医療管理料や栄養サポートチーム加算、緩和ケア診療加算、特定一般病棟入院料に地域指定加算を設定するなど、地域に配慮した評価が行われたが、平成26年度診療報酬改定においても、地域に配慮した評価が検討されています。

(平成26年1月15日現在)