平成26年度診療報酬改定の改定率が昨年12月に発表されました。今回は、消費税の増税に伴う補填が行われ、補填分込みで本体プラス0.73%、薬価・材料価格がマイナス0.63%、ネットプラス0.1%となりました。補填分を除くと、本体プラス0.1%、薬価・材料がマイナス1.36%でネットマイナス1.26%となり、消費税の補填分は、財務省が主張していた1.23%ではなく、厚労省主張の1.36%(約5600億円)を満額確保。医療機関に増税負担が生じない結果となりました。ただし、補填分を除いた通常改定分の本体改定率は、前回改定のプラス1.379%と比べ、0.1%(医療費ベース約400億円)の微増にとどまり、通常改定分ではネットマイナス1.26%と厳しい数字になっています。「医科:歯科:調剤」の配分比率は前回同様「1:1.1:0.3」消費税補填分込だと「1:1.2:0.3」となりました。前回、前々回とプラス改定となっていましたが、政権変更に伴い、財政再建に舵をきった形となりました。
また、今回の特色として7対1入院基本料算定病床の要件厳格化に伴い、7対1を維持できなくなる医療機関を円滑に受け皿病床に移行させるための経過措置として、診療報酬改定分とは別枠で約200億円(内訳は国分約140億円、地方分約60億円)の公費が投入されることになり、改定率に置き換えると0.15%。さらに、病床の機能分化や在宅医療の推進、医療従事者の確保の為に活用する基金を創設し公費約900億円(内訳は国費約600億円、地方約300億円)を投入、こちらも改定率に換算すると、0.65%となりますが、どちらも改定率にカウントしない方針となっています。改定率とは別建てにすることで今回のマイナス改定に対する配慮と見受けられます。
今回の改定は団塊の世代が75歳以上の後期高齢となる「2025年の医療の姿」を見据えてのロードマップの2回目にあたり、平成24年度診療報酬改定で行った内容を、引き続き平成26年診療報酬改定でも取り組むものと思われ、「機能分化・強化・連携」が重点課題となっています。
(平成26年1月15日現在)